海外のよつばと!

YOTSUBA&! Comics

マレーシア英語

表紙(マレーシア英語)
タイトルyotuba&!
出版社Gempak Starz
形式カバー付き
サイズ205×142×12mm
集めた数12

カバーが付いており、カバー下のネタも収録。1巻末のカラーページはモノクロで収録されている。
マレーシア国内ではGempak Starzが英語版とマレー語版の2種類を発行しており、今回紹介するのは英語版である。
上部に書いてある文言が「Hak cipta rasmi terjemahan bahasa Melayu diberi oleh KADOKAWA CORPORATION」でればマレー語で、「Official English Translation Under Licence From KADOKAWA CORPORATION」であれば英語のようだ。
まだマレー語版のほうは入手できていないので、いずれ手に入れて比較してみたいと思う。

翻訳そのものはADVやYenPressの英語版とは異なっており、マレーシア独自で訳されているようだ。オノマトペなども置き換えられているなど、一段手の込んだローカライズになっている。

朝だ(日本)
日本語版第1巻2話
朝だ(マレー)
マレー語版第1巻2話
朝だ(英語)
英語版(新)第1巻2話

翻訳比較:翻訳家→こんにゃくや

こんにゃくや(日本)
日本語版第1巻7話
こんにゃくや(マレーシア英語)
マレーシア英語版第1巻7話

1巻の終盤のシーンで、よつばが「翻訳家とこんにゃくやを間違える」というものがある。これは日本語特有のシャレであるため、言語ごとに違いが出やすく面白い。

まずは日本語におけるやりとりから。

とーちゃん「んー?」「しごとー?」「翻訳家だよー」

よつば「こんにゃくや」
風香「へ?こんにゃく屋?」 出典:日本語版第1巻7話

続いてマレーシア英語版におけるやりとり。

とーちゃん「HMM?」「JOB…?(しごと…?)」「HONY AKU- SHA. *TRANSLATOR(ホンヤクシャだよ)」

よつば「KON- NYAKU- YA*. "KONNYAKU SELLER.(コンニャクヤ ※コンニャク売り)」
風香「HUH? HE SELLS KONNY AKU?(へ?こんにゃく売ってるの?)」

出典:マレーシア英語版第1巻7話

これまで比較した原語のなかでは最も直訳である。日本語のシャレを成立させることを優先させたのだろうか。ここまでそのままだと特に言及できることがない。

翻訳比較:アブラゼミとクマゼミ

クマゼミ(日本)
日本語版第1巻6話
クマゼミ(マレーシア英語)
マレーシア英語版第1巻6話

よつばと序盤にはしばしばセミの名前が登場する。
マレーシア英語版ではどう翻訳されているかについて紹介する。

ジャンボ「おーおめでとう あぶらぜみだ」

ジャンボ「クマゼミだ!クマは今日それ一匹だけだ!一番大きいぞ」

出典:日本語版第1巻6話

ジャンボ「OHH! CONGRA- TULATIONS.(おー! おめでとう)」「THAT'S A BROWN CICADA.(茶色いセミだ)」

ジャンボ「THAT'S A GIANT CICADA!(大きいセミだ!) THE FIRST ONE WE'VE SEEN TODAY!(今日はこれ1匹だけだ!)」「IT'S THE BIGGEST TYPE!(一番大きいぞ!)」

出典:マレーシア英語版第1巻6話

セミを指す「CICADA」を用いつつも、具体的な種類や名前には言及せず色や大きさで表現している。

ではマレーシアにセミがいないかといえばそんなことはなく、例えば世界最大の種であるテイオウゼミなどが生息している※1


出典

  1. 虫撮る人々 昆虫記者の原点・セミ界の王者テイオウゼミ現る(2025/06/02閲覧)